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Daytona誌316号 弊社代表インタビュー

建築プロデューサーに聞く縛り付けられない不動産選び

不動産の常識という“縛り”を抜ければ面白い物件は簡単に手に入る!?

人生のうちに何度も経験することではないので、ついつい習慣や常識に囚われがちな不動産選び。しかし本当に面白い物件や土地を手に入れようと思ったら、そこから逸脱することが大事になってくるのだ。


今回(Daytona誌316号)の特集で取り上げてきた遊べる物件の中には、高価な物も含まれている。買う買わないは別にして、遊びのイメージを喚起してくれるこれらを眺めるのも楽しいが、遊べる物件をこれから真剣に自分の為に手に入れたい人にとっては、予算というのは現実的に考えなければいけない要素だ。

しかし、とかく予算が掛かりがちなイメージがある不動産も“世間の評価”ではなく、“自分なりの目線”を持って探せば、現実的な予算で見つかる場合もある。そんな新たな目線での不動産の探し方を、本誌“デイトナハウス”プロジェクトを共同で進めている建築プロデュース会社『LDK』代表、玉田敦士氏はこう語る。

「都会の物件の値段が高いですが、そのほとんどが土地の値段です。土地の値段というのは交通や情報が集約している場所が高いわけですが、これがいわゆる路線価ですよね。駅から何分だから、いくらという。でもデイトナ読者の人って、クルマやバイクで自由に移動できる人が多いと思うんですよ。しかも今はスマートフォンがあれば情報面の不自由も無いので、国家が作った交通や情報のインフラにわざわざ縛られることは無いと思うんです。ですので土地に従属しないかたちでどうやって上手に家を見つけるか、がポイントだと思いますね。いまニュースなんかで限界集落だ、日本の地方がダメだ、って言われてますけど、僕にしてみたらよっぽどそっちに可能性があると思います。例えばもう綻び始めているリゾート地などはアリですよね。価格は安いし、既に諸々の生活インフラが整っていますから、一から建てるよりコストも安いです」。

不動産においては、“地方”に加えて“古さ”も低価格のポイントとなるが、いわゆる古屋は選択肢としてアリなのだろうか。

「今回の特集で紹介している葉山の物件なんかは、古さよりも“葉山”というブランドの方を推していると思うんですよ。だけどこういう古屋の物件って、その土地よりも、例えば“小津安二郎の映画みたいな生活がしたい!”っていう動機で住んだ方が面白いと思うんですよね(笑)。忘れられた場所にひっそり建っていて、日本の社会から「いらない」と言われた物に対して、「俺たちにはこれが必要だ」っていう自分だけの観点で選ぶ。そういう気持ちで物件を見に行った方が、ブレないんですよ」。

ここで言う“ブレ”とは妥協とも言い換えられるが、本当に自分好みの物件を手に入れたいのであれば、中古物件を買うのではなく、土地を買って建てた方が良いと玉田さんは言う。

「やはり建物ありきで探すと、場所としてはベストにならない場合が多いです。どこかで妥協しやすくなるというか。だけど自分だけの観点を持って土地を探せば、ベストの場所が見つかります。例えば現在出雲にデイトナハウスのモーターホテルを作ろうとしているんですが、その為に買った土地は、夕焼けが綺麗で素晴らしい眺望ですけど、元々は地元のお婆ちゃんが持っていた畑なんですよ。我々にとっては海沿いで、ツーリングの途中に立ち寄るにも良くて、サーフィンをする場所としても言うこと無いんですけど、お婆ちゃんにとっては潮風に吹かれちゃうので、あまりいいトマトが出来ない場所でしかないんです(笑)。この“観点を持つ”という事が、その土地に価値を生むんですね」。

お婆ちゃんにとってはトマトが美味しく作れない畑で、もちろん地元の不動産屋にとっても、そこに価値があるとは思ってもいない場所。だから購入価格は驚くほど安かった。しかしここにモーターホテルが完成し、多くの人が出雲観光の拠点にしだしたら、この場所に価値が生まれるのは間違いない。そしてこの価値を生んだのはまさに自分だけの観点であり、この独自の目線を持てば、予算がハードルにならずに、理想的な物件を手にすることができるというわけだ。

「路線価というのは、万人にとっての話であって、自分だけの価値観を持っている人には必要がないんです。最近は都会に住むのは賃貸にして、田舎に面白い物件を建てたいという相談も良く受けるんですよ。いまはそういうライフスタイルを実際に目指せる時代なんです」。

“動かない財産”である不動産に縛られず、だったら自分が動いてしまえばいいというこの発想は、確かに今後広まっていきそうだ。

「日本の不動産というのは、あまりにも土地本位主義なんですよ。銀座が中心で、土地に序列があってという感じに都会は価格も高いので、ローンでも縛り付けられちゃうわけですが、こういう土地やローンからの縛り付けから脱すること、その価値観から外れることがまずは大事だと思います」。

そして玉田さんは、土地選びそのものにも新たな観点を持っている。

「僕が昔から提案しているのは、古代人の目で探せということなんですよ(笑)。つまりどういうことかというと、縄文時代に海だった場所は選ばない方が良いということです。それこそ今は駅からの距離で土地の価格が決まっていますけど、本当に大事なのは地盤なんですよ。例えば古代人の目で東京を見てみると、都心の大部分はフィヨルドのようになっている。じゃあその時代、古代人はどこに家を建てて住んでいたの?という話なんです」。

つまり理想的で面白い物件を手に入れるには、既に常識化してしまっているあらゆる“縛り”の外側から自分ならではの観点で土地や物件を探すことが大事となる。高額な出費となる為に、ついつい保守的になって身構えてしまう不動産の購入だが、考え方一つでその価値観をガラリと変えれば、目の前に自分の理想の物件を築ける道が見えてくるはずだ。

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