従来、建築工事におけるサブコンは “人工（にんく）”という基本単位で換算される立場でした。仕事が上手でも、そうでなくても、あるいは仕事ぶりが美しくても、そうでなくても同じ単位でカウントされる世界。人工による建築のとらえ方には人格がありません。

また、職人さんは一部のプロセスを受け持つだけなので、一般にはその建築がどのような建物になるか？ ということも意識しない状態に置かれているともいえます。建物としての完成イメージが共有されていない“作業”の場合、単に人工としての単一プロセスの作業は、残念なことに、“こなす”という意識に陥ります。

一方で、『建築の完成系のイメージ』がしっかり把握できていれば、職人さんは自らが担当するパートの位置づけをしっかり理解することができます。その場合、仕事には他のパートとの共同作業の意味合いが色濃く反映し、次の工程に受け渡す“リレーション”の実感が湧いてきます。したがって仕事の喜びも、やりがいも俄然湧いてくるのです。

『建築の完成系のイメージ』とは、単なる外形のカタチのことではなく、その建築がどのような“人”の、どのような“愛着”のもとに、どのように“使用”され続けるか？ までも含めてのイメージをすることが理想です。建築は単なる箱ではないからです。またその利用イメージは、“地中海風”や“○○風”という固定的なステレオタイプではなく、創意や工夫を凝らした住み手の個性が反映された、いわば「自由／FREEDOM」に満ち溢れたライフスタイルのイメージです。その典型例が世田谷ベースであると考えています。

デイトナハウスは、あの「世田谷ベース」の増築やリノベーションを手掛けたのを皮切りに、雑誌デイトナの誌面では「建築の完成品のイメージ」を常に発信しています。

ですからその仕事に携わっていただく職人さんたちは、自分の担当するパートの、全体の中での位置づけを、常に把握したうえで仕事をしていただけます。それはもはや単なる“作業”ではなく、“生きた建築”です。皆さんにもご経験があると思いますが、気持ちを込めた“仕事”と、単なる“作業”の出来栄えの差は歴然としたものがあります。また「カッコよさ」とは、気持ちを込めた仕事から放たれるオーラやエネルギーの中に宿るのだと思っています。また、そのような仕事を段取りよく仕上げることこそが、生き様として「カッコいい」のだとデイトナハウスは考えています。

自分が好きな世界観を、だれが携わったかわかる形式で作り上げる、本来の“仕事”を、自らのブランディングにも有効な“ビジネス”として、是非DSCU協力業者会ネットワークへの入会をご検討頂ければ幸いです。

デイトナハウス本部は、できればクルマ好き、バイク好き、アウトドア好きの職人さんに、そのライフスタイルの一部としてデイトナハウス建築に携わっていただきたいという願いを持っています。自ら生活にスタイルを持っている職人さんならば、デイトナハウスが表現しようとしていることを、身体の実感で把握していただけると思うからです。

また、できれば「デイトナハウス的な世界観が好きだ！」という職人さんにこそ、ともに仕事をしていただきたいと考えています。「気持ちを込める」ということがどれほど仕事の出来栄えを左右するかをよく知っているからです。

そこで、デイトナハウス×LDK本部は、上記のようなライフスタイル型職人さんのネットワークを立ち上げることにいたしました。“従来の協力業者会の21世紀版”と、考えていただいても結構かと思います。従来型の単なる時間と給金の関係を仲立ちにした団体ではなく、お互いにライフスタイルを共通に理解するもの同士のネットワークこそが、仕事の質を高めていくのだと考えています。また、もちろんビジネスとしての発展も共有していく組織です。

このネットワークを弊社は『DSCU』と呼んでいます。“DAYTONA HOUSE SUB-CONSTRUCTORS UNION”の略称です。